2020年度に工種拡大したi-Construction。【ICT地盤改良工】の基礎を解説

2020.12.23
建設業界の生産性向上のために、2016年度より本格的に始動した「i-Construction」。

2017年度にはマシンコントロール(MC)を搭載したICT建機やICT測量を活用した「ICT舗装」が認証され、さらに2019年度にはICT施行が工種を拡大。地盤改良工における浅層・中層の混合処理工にもICT化の波が訪れた。

そして2020年度には、ICT地盤改良(深層混合処理工)、ICT舗装工(修繕工)がICT施行対象工種として新たに認定されたのだ。建設業界におけるICT化はつねに変化し続けており、さまざまな新しい施工法の開発が進んでいるのである。こうした現状を踏まえ、本記事では「ICT地盤改良工」の基本を紹介していく。


人員削減・時間短縮、そして品質工場のカギとなる「三次元起工測量」


【ICT地盤改良】の流れは、大きく分けて3つの工程のプロセスを辿る。第一工程である調査・測量のプロセスでは、ICT技術を活用した「3次元起工測量」を行う。

地形データの収集には、UAV/ドローンや3Dレーザースキャナーなどを使用するため、広域にわたる調査も効率的に行うことができる。

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また、3Dレーザースキャナーによる測量の場合、目視では発見することが不可能だった路面の沈下量なども正確に把握することができるため、対策を事前に設計計画に盛り込むことが可能になった。

こうして収集された3次元地形データと、実際の設計図面をもとに、施工時に利用する3次元設計データを作成していく。

施行計画通りの正確な施行と、出来形管理用のデータ収集を同時に


次に施行のプロセスでは、建機の自動制御技術を利用した「ICT施行」を行う。事前準備は、「3次元起工測量」で作成された3次元設計データを、マシンコントロール(MC)機能を搭載されたICT建機に取り込むだけ。

高精度GNSSとICT建機の位置情報、そして3次元設計データとを利用して、建機を誘導することができるため、従来のような区割りの目印設置作業を省略し、すぐに施行作業を開始することができる。3次元設計データの力が発揮されるのは、位置情報による建機の誘導だけではない。

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実際に軟弱地盤にセメントなどの硬化剤を圧入し、攪拌・混合する工程では、攪拌混合翼の到達深度をマシンコントロール(MC)で自動制御されるため、定盤の掘りすぎなどを気にすることなく作業に集中することができるように。

また、セメントなどの硬化剤と、改良地点の土を攪拌していく経過データや、建機の水平位置、そして攪拌混合翼の到達震度の記録が施行履歴として残るため、出来高・出来形計測を効率的に管理することが可能になった。また、これらのデータは地盤改良後の安全性を「裏付けデータ」として顧客に提示することもできるだろう。

最後に、検査工程では、これまでに収集したデータを活用する。事前に収集した地形データ、施行履歴はCIM上で一元化されているため、管理や検査業務に必要な帳票をデータから自動作成することができる。れにより、実測作業そのものを省略し、書類作成業務の大幅な効率化が実現した。

作業の効率化だけでなく、技術・品質の向上のためにデータを活用


大手ゼネコンを中心に地盤改良工のICT化が推進されているため、今後さまざまな地盤改良法に順次対応していく見込みだ。また、効率化を図るだけでなく、高品質な地盤改良を目指した技術の開発も進んでいる。

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現場でセメントなどを作液する工程をICT制御することで、硬化剤の品質の安定化を図る事例などがある。また、施行前に行われた調査・測量データと施行後の調査で得られた強度のデータとの関連を探ることで、最適な地盤改良を判断材料として活かす、などの試みも進行中だ。

このように地盤改良におけるICT化は、作業の効率化だけでなく、集積された膨大なデータ群を解析することで、地盤改良工技術の向上に役立てていくことが期待されている。

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