2020年度に工種拡大したi-Construction。【ICT舗装工】の基礎を解説

2020.12.18
建設業界の生産性向上のために、2016年度より本格的に始動した「i-Construction」。

2017年度にはマシンコントロール(MC)を搭載したICT建機及びICT測量を活用した「ICT舗装」が認証され、さらに2019年度にはICT施行が工種を拡大。地盤改良工における浅層・中層の混合処理工にもICT化の波が訪れた。

そして2020年度には、ICT地盤改良(深層混合処理工)、ICT舗装工(修繕工)がICT施行対象工種として新たに認定されたのだ。建設業界におけるICT化は常に変化し続けており、さまざまな新しい施工法の開発が進んでいるのである。

こうした現状を踏まえ本記事では改めて、「ICT舗装工」の基本を解説していく。

測量データと設計データを、舗装工事計画に活用


【ICT舗装工】には、調査・測量、施行、維持・管理の全てにICT技術が活用されている。
その具体的な方法について、プロセスごとに見ていこう。

従来行われてきた工員の手作業による測量法には、広範囲の調査に、多くの人員と時間が費やされてきた。また、急勾配の斜面など危険が伴う地点の測量には、危険が伴うため、工員への作業負担も大きなものになっていた。

これらの課題を、ICT測量は一挙に解決した。

まず調査・測量のプロセスでは、UAV/ドローンや3次元レーザースキャナを活用し、舗装される地盤面を瞬時に測量していく。これにより、人員を削減し、短時間のうちに高精度な測量結果を得ることが可能になった。

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次に、測量機器が収集してきた地形データと、設計図情報(平面・縦断図・横段図)をもとに、「3次元設計データ」を作成していく。

さらに、地形データと設計図情報を照らし合わせることで、舗装工事全工程に必要になる材料量を算出したり、舗装工事完了までのスケジュールを正確に割り出すこともできる。

事前に必要材料を確保したり、工事中の車道通行の規制範囲を最小限に抑えることができ、より効率的な舗装工事が実現した。

安定した施行品質を保ち、調査までを同時に行う


実際の施行に移る。施行のプロセスでは、ICT建機を活用する。

マシンコントロール(MC)を搭載した ICTグレーダー、ブルドーザ、ローラーなどの建機に、前項で作成した3次元設計データを取り込めば、施行のプロセスのICT化が可能になる。

高精度GNSSと設計図上の位置情報を利用すれば、建機を施行箇所に誘導することができるため、従来行われてきた設計図面を施行現場へ落とし込む「丁張り作業」が不要となった。実際の施行はマシンコントロール(MC)を搭載した建機により、自動で施行が行われる。

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舗装工事に使用するグレーダーなどの建機は、操作の難度が高く、その専門性の高さから、オペレーターの人手不足が懸念されていたが、それらの懸念をICT化が解決し、オペレーターの習熟度に依存しない、安定した路面の仕上がりを実現したのだ。

さらに、ICT建機による施行状況は常時記録されるため、〈いつ・どのように・どの部分を施行した〉という施行履歴が残る。たとえば建機に加速度センサーを設置すれば、施行と同時並行して地盤反力測定記録を残すことができる。

従来は、検測と施行を繰り返し行い、さらに舗装面の整形後には掘り起こしによる密度管理が行われていたが、施行と調査・記録を同時に行えるようになったことで、品質管理に必要な密度試験や、プルフローリング試験の過程を省略することが可能になった。

データ活用と納品の省力化


従来は人手を用いて、舗装の厚さや幅員を確認・測定していたが、3Dレーザースキャナーなどを用いれば、舗装面を掘り起こすことなく、正確な出来形を確認することができる。

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また、測量・設計・施行で用いたデータは全て、施行の履歴として出来形管理に活用することができる。データを書き出すだけで書類作成までのプロセスを完了することができるため、施行完了から納品までの時間を大幅に短縮することができるという。

舗装工事の効率化だけでなく、職人不足という課題解決への活用も進んでいる。AIによるディープラーニングを利用し、マシンコントロール(MC)時の操作技術を、熟練工の操作並みにアップデートしようというのだ。さらにはAIによる画像認識機能で舗装面の維持・管理に役立てるなど、舗装工へのICT活用は幅広い分野で進んでいる。


デジコン
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